8月の詩歌

8月に詠んだ俳句と短歌です。ホラー(グロ)強めのがあるので注意

おひさまがゆっくりのぼる今朝の秋

黄金色鮮やかならむ ゆふぐれの 確かめるほど苦きマティーニ

うたかたのシューゲイザーの目の奥で潰れた桃の種子が芽吹いた

国境の風は今ごろ冬だろう 今日旅に出るつばめが言った

気がつけば高さを増した夏空を死にゆく蝉はずっと見ている

いかづちと雨柱とをたずさえて炎帝去った空がさみしい

スタージョン・ムーン(8月の満月)
満月と きみとぼくとのさかいめが 溶けて無くなるちょうざめの月

【以下ホラー色強め】

屋根裏の蟲
わたしだけ見つめて欲しいそれだけよ だから貴方の眼をつぶしたの

「かわいい」と「かわいそう」って似てるわね 四肢をもがれた貴方がそうね

屋根裏に満ちる西日はあたたかく 芋虫に似た貴方を愛でる

ぼくのせんせい
「水曜日は、mercredi、くりかえして」教わりながら僕は喰われる
↑こちらの短歌の小説版(というか小説を先に書いた)
「水曜日の夜には」